初恋の人が実家の仕事場で働いている夢。淡々とその光景があるだけで何も起きない。なにか起きろと夢を押してみたりちょっかいを出しても、(店先なんかの)空気人形のように景色がふわふわ揺れるだけで、なんの手ごたえなくも夢の光景は淡々と続き、そのま…

食堂で聴いた歌

今週に入ってからずっと無気力で、へ先生に会って興奮した反動の虚脱状態が続いているのか、それとは別に体調のせいなのか分からないけれど、なんだかぐったりしている。寝て長い夢を見ても起きて思い出そうとすると、いろんな話が無秩序に折り重なったまま…

あと二回

昼に起床。下北でへ先生の写真展示があるとのことで(緊張する気持ちの方を、あまり見ないように)ぶらぶらと出かける。なんだかんだで下北に来るのは数年ぶりなはずだけれど、毎週のように訪れていたころと町並みは全然変わっておらず少し驚く。また物欲が…

バラード

さて、(ポコチン・バーン!がどうだの)言いたいことも言ったし更新はしばらくいいかなとぼんやり思っていたら、オガーさんがブログを始めたというのを今ごろ知り、さっそく拝見するといつになく(いつもどおりに?)生真面目な調子で音楽のことについて書か…

ポコチン、バーン!の速度

救急車の速度がどうのとかいう話で、去年暮れにヘ先生がインタビューされているという本の著者のポッドキャストというのを聴いた時のことを思い出した*1。いろんな人々の死生観についてインタビューした自身の著作について語るという趣旨らしいのだが、サテ…

農薬のあった棚

正月実家の庭にて。親に頼まれて、むかし祖父が作った物置の棚をぶっ壊した。祖父が死んでから20数年が経とうとしていて、未だに家に祖父の面影を残すものがあるのだなと思うと同時に、少しづつそういうものもなくなってゆくのだなと感じる。祖父の作った池…

救急車の速度のこと

雪の降った翌朝。道の遠くのほうで雪かきをする様子が逆光に光ってきれいだなあと眺めていると、サイレンが聴こえ晴天の雪景色の道を救急車がやってくる。サイレンは聴こえるしランプも見えるのだけれど、救急車はなかなかやって来ない。雪かきに見とれたり…

年明け他

ジオラマ模型のような色の木々、山腹の湖。岸に白い遊覧船が停泊している。船には外輪船のような大きな水車が付いていたりいなかったり、眺めるたびに違う。岸と船の5mほどの隙間の水面に斜めに飛び込む。船よりも高いところ(空中)から飛び込んだ感じ。音…

公共の朝

朝。食事のあと、どんづまりの空き地までぶらぶら足をのばすと、いつのまに仮設フェンスのようなものですっかり封鎖されていた。なんだか「ここで自堕落かつ不健全な空想をしてはいけません」と、文明や建設的で健全な一般社会というやつそのものから締め出…

先端、頭蓋骨、泡雪

例年どおりクリスマスとは関係なさそうな場末をなんとなく巡る。どうにも自転車をこぐ足が芯から冷える感じで感覚が鈍ったり動かすのが億劫で、それで今年の冬は寒いという噂をわりと真に受けていたんだけど、「皮下脂肪が減ったせいじゃないか」と指摘され…

路地

雨上がりの夕暮れの森を歩くと深い霧だった。外灯の場所がぼんやりとした緑色の光の柱になって奥まで続いている。真っ暗になってもしばらく歩き回り森をぬける。つめたい湿気をずっと吸ったせいか、なんだかさめざめとしたような、だぶだぶしたような気分が…

コーヒーミルク海戦

文庫本を積んだのを切り崩すと綿棒が何本もばさばさと溢れて出て床にまき散らされたのをみて何かに似てるけど思い出せなかったやつは、酒に酔った祖父が「日本海軍がバルチック艦隊を破った話」をするのに床に楊枝やら箸置きを並べていたやつだった、という…

バタバタ

iydさんが日記に子供時代の「こおり鬼」のことを書いていて、「あったなあ、懐かしい。。」と子供の頃の遊びのことをあれこれ思い出していた。 自分らの方でもこおり鬼はあったけれど、どうもルールがよく思い出せない。こちらの地方では「鬼に触られると氷…

おにこやす

山深い緑をかきわけていくと突然巨大な石像のキューピー人形の頭部が現れる。小さな家くらいの大きさがあり、植物に侵蝕され朽ちかける様がまるでアンコールワットのように見える。頭が置かれているところだけ木や草が開けているので眩しい陽があたっていて…

君の瞳は○○ボルト

○○の日を境に何もかも変わった気がするのは気のせいで、それまで自分が好きで読んだり観ていたものを作っていた人たちが言うことや作るものが変わったのを見て、単純に感化されたりただ気分的に表面的に影響されただけで、本当はなにも変わっていないし考え…

誰かのふとん

もうそろそろどうだろうか?と、ゆりこさんの富士日記が読みたくなって部屋中探すも出てこない。(ただ本棚に戻すのが面倒なだけで読み途中というわけでもない)枕元に積んだ裸の文庫本を見ていくと、切り崩した山の断層から耳垢と埃まみれの大量の綿棒がば…

とらとうさぎのよる

寝ていると大きな地震。起きて寝ぼけたまま倒れそうなものを支えたりした後また寝る。起きると長い夢の余韻があるがきれいに忘れている。夜に散歩。広場を見渡すベンチで一服していると、ヘルメットとアメフト選手のような派手なプロテクターをつけた人が自…

枯葉と近眼

昨夜、近所で通り魔事件があって中年の女性が刺されたという。そのせいなのか朝の通りをゆくとパトカーが何台か行き過ぎ、空はつきぬけるような秋晴れである。つめたい壁ぎわの狭い路肩を自転車をこいでゆく。すぐ脇を次々風をきり追い抜いてゆく車に神経質…

あたらしい宰相

おお、これは光栄の初期の三国志じゃないか!となぜだか嬉しくなり、いそいそとプレイしてみる。グラフィックはMSX版の1と2の(それぞれ好印象の方の)ものが混じっていて懐かしい雰囲気だが、内容は微妙に違っていて記憶にない細部が追加されている。復刻版…

sop de kooning

夕暮れの公園でシャボン玉を作る人がいる。まだぼんやりとした明るさがとけ込む物憂い空気を、つめたい風ににじむ街灯の光を、大きな泡が森の夜陰へ絶え間なく運んでいく。それを追いかける子供が黒い木々の間に消えたり現れたりする幻じみた情景を眺める。…

土壇場の雲

不意打ちで多部未華子の巨大な顔面がモニタに展開したのを観たとき*1、「わ、女だ」という思いが浮かんで一瞬で消えた。なぜ「女だ」などということを突然思ったのか、「なんなんだそのわけの分からない態度と感想は」ということを考えながら夜明けの路地を…

詩集売りと靴磨き

下駄箱の靴が黴びそうだから気をつけたほうがいいという話になり、気になって眼の届かない場所から革の半靴を出してみると、つま先の方から毛羽立った緑灰色が点々としていた。すぐに便所紙でごしごしこすってみるとそれは取れたが、まだうっすらとしたシミ…

ふみこのヴィジョン

ぼけた視界がしだに像を結び明るい室内。ところどころ剥げかけた畳、ちやぶ台のうえにポツンと湯のみのお茶。そこは三宿の"陰鬱な森陰の泥沼に浮かぶ船のような長屋"の一間で、机に向かって書きものをする林芙美子の粗末な着物の後ろ姿がみえる。ぼんやりと…

妄導犬

午後から町外れをうろうろする。晴れて明るいけど冷えるのでセーターとてぶくろ。ひなびた路地裏から路地裏へ転々とするうち陽は陰り、ファインダーを覗くたび側溝や枯れ草だらけの植木鉢やくすんだモルタル壁の陰からみるみる青ざめる。冬に向け、肌にあた…

ひとはだフルーツ

佐藤さんのことが頭をぐるぐるして寝られなかったり、どうにもならず、とりあえず吐き出そうと長々と作文をする。ああでもないこうでもないと考え込んでいたら今度は具合が悪くなってきた。いったい私は何をしてるんだとろう?と、急に我にかえる。台所で柿…

ずっと佐藤さんの件が頭のなかをぐるぐるして弱る。夜。ふとんの中でどうにか落ち着いたので寝れるかなと思ったら、今度は佐藤さんともニューウェーブみたいなのともまったく関係ない思い出の音楽が頭の中でいくつも重なって一斉に流れはじめ、それが鎮まる…

また佐藤さんの話なんだけど、この前の2人の佐藤さんと別の3人目の佐藤さんのこと。 最後に書き込んで以来、疲れたかめんどくさくなったか他の理由かでツイッターを見ていないのだけれど、なんとなく古い知り合いのつぶやきを遡って見ていて、あの特別なバン…

多部未華子のちらし寿司

普段は大勢の人でにぎわう感じだが、その時は落ちつきしんと静まりかえった空気。視界はやや黄緑がかって彩度が低く陰が濃く画素は細かい。大きな屋敷のコの字型の長い回廊はぜんぶガラス張りで、そこにかけられたカーテンの隙間から中庭の青々とした芝生が…

フレッシュデッド

貝殻収集家という人の話を聞いていた。私が子供の頃にどこかの海辺のみやげ屋で買った貝殻は「タカラガイ」という名前らしい。タカラガイにもいろいろな種類があって、その人の図鑑によると、私のは「ヒョウダカラ」か「ホシダカラ」のように思えた。 水の中…