母がホームセンターで買ってきた叙情歌集より

実家に帰省中、どこだかのホームセンターで買ってきたという叙情歌の廉価版オムニバスCDというのをずっと母が聴いていて、しょっちゅう同じ曲がかかるので、嗚呼たんに曲数が少ないのか、だから安いのかね、みたいな会話があった。そのなかでも誰か知らない…

廃屋か改装中の建物? むき出しのコンクリの壁に立てかけられた、一枚づつ額飾されたB全サイズほどの商業ポスターのようなものを大根泥棒氏とめくって見ている。ポスターはモノクロの写真になにか言葉が添えられただけの簡素なもので、女学生が荒れ地のよう…

体の内と外、音量

8/4 am6:00 曇った朝。高架道路の下の道が白くぼんやりとしている。横断歩道を渡ると、やせた女が半袖短パンで犬を散歩させてくる。白、ベージュ、グレー、うすぼけた色が気になってふりかえると、曇り空のぼんやりした日向をゆらゆら遠ざかる。公園。数日前…

観ると多分また描きたくなるけど描けないのが悲しいので、ピクシブを覗くのは避けていたんだけど、久々に覗いてみたら閲覧登録者がアホみたいに増えていて驚く。単純にピクシブ全体の利用者が増えているだけで、驚くようなことじゃないのかも知れないけど、…

いちばん地味目なデパートでもキラキラして目がまわる。姪の入学祝いを文房具にするつもりが、なぜか黄色い雨合羽を買っていた。

空想の花見

(おっさんの僕。以下お) 朝にいつものベンチでパンを食ってたわけよ、独りきりで。日曜で桜も咲いてるし今日はにぎやかになりそうだなあとか思いつつ。そんで缶コーヒーを飲んで煙草をすって、さて、どうしたもんかな、、と呆然としていると、ポケットに感…

○んこ

(15歳の僕。以下15) この写真はなによ。モザイクかかってるし。 (おっさんの僕。以下お) うーん、迷ったけど伏せたよ、知らない人なんだけども。あと、作文はやたら疲れてぐったりしていた時に書いて、あとで読み返したら酷かったから収納することにした…

回転花見

寝られずに出たので終日ぼけぼけ。手紙を書いていたせいで出がけはすっきりしていたけど、動物を眺め森をぬけいつものベンチでパンを食べ終わると、またすぐ眠気で景色が遠くなる。動くものや人の声、ぜんぶ遠いので、視る聴く意識しないと内容が分からない…

ふたつの結婚

『知らないはがき』 だいぶ前に「結婚しましたという」葉書が届いたのだけれど苗字も名前も心当たりがない。「また●●とレコードの話をしましょう」という一文から思い当たる人がいたけれど、やはり名前が違うのでお手上げだった。連絡して確かめてみれば早い…

15歳の君と15歳の頃の僕と、おっさんの僕

ここの作文が若い人の目に触れることもあり得るということをぜんぜん考えてなかった。まず自分が(いちおう年齢的には)大人なのだという自覚がぜんぜんないし、子供のままで感覚が止まっているただのクルクルパーだから考えてもみなかった。 ものすごくあた…

塩ラーメン

この前の塩ラーメンにひきつづき、今度はタンメンをジャケ買いしてしまった。思い返せば僕が馴染みのないカップラーメンに手を出すときはいつもジャケ買いである。「このメーカーはどうの」やら「このスーパーのなんちゃらシリーズは日清のプライベートブラ…

花のはなし

日曜日。寝そこなって朦朧とした頭でなんとか庭園を散歩していた。遠くに一本だけ白い花が咲く木があって(目が悪いので実際あんまりよく見えてないんだけども)ぼんやりしたまま「あ、梅だ」とつぶやくと「梅なんかとっくに散ってるし、あんなにデカくねえ…

いつも自分の外側にあって指をくわえて眺めるものがロックだった

見慣れぬナニを辿ってみるとネトラジの頃のお知り合いのつぶやき。数年ぶりで懐かしいなあ〜と、また長々と私信的な作文をして一旦は投稿したんだけど、うーん、また人様の行いの感想文かよ、、と反省してとりやめるなど。その方の日記に年越しの真夜中に栃…

本物みたい 大きな コスース 18,000円

商店街に時代錯誤な感じの玩具店があって、そこのショーウィンドウに並んだおもちゃにいちいち付けられたキャプションが気になっていて、いつも前を通るたびに「この変な感じはなんなんだろうな」と立ち止まって覗き込んでしまう。おせっかいというか変な方…

昼過ぎに出かけると景色が黄色くて驚く。通りの果てまで景色が不思議な光の乱反射の中に均質に居並び、なにか全体的に近くに感じる。僕はまたなんとなく森の方へ向かっていて、ひょっとして森に入ったら多少は空気もきれいかな?と期待したが全然そんなこと…

商店を出て左手前の路上駐車の車をよけ信号待ちの右手奥の車の方を見ながら渡ろうと自転車を踏み込むと、路上駐車の車の影から走って来た黒い車に衝突される。そのあと、突っ込んでくる車内からの映像となり、袋をさげて自転車に乗ったおっさんがふらふら現…

サイレン

絵コンテのような用紙の枠線の中央に小さなモノクロ写真が貼ってあって、大きな余白や枠の外に鉛筆で殴り書きがしてある。写真はたぶん○○○の中のやつで、陰になって表情の見えない三人の男。鉛筆で書いてあるのは何かを聴き取ったメモのようで、「月の裏であ…

かわいいすべり台

「久しぶりに、サッポロ一番の塩ラーメンを食べたらうまかったよ」と言うと「カップか袋か」と返ってきたので「カップのやつ」と応えると「袋のやつじゃないと麺の感じがどうのこうの」という話が始まる。いろいろ込み入った話をした翌日で、こちらとしては…

白い夜、連続豆大福

夜が暗いのはただ星が遠いからで、途方も無い未来には全方位の星の光が届き、夜空は真っ白に輝くという。星の光が届く前に、地球は膨張した太陽に飲込まれたり、なんやかんやであと50億年ほどで惑星自体の寿命を終える。星の光が他の星に届くより、はるかに…

グッドモーニングたべみかこ

地元のもうつぶれたツケのきく本屋で「そうそう」と富士日記を探している。平積みコーナーに箱に5冊入りの文庫本セットなどが置いてあり、中を開けてみても全然知らないタイトルでへえと思う。そのあと、ゆりこコーナーを見ても全然知らないタイトルが数冊あ…

●高架脇の通りにあるコンビニ。それが自分たちのクラスの学園祭の出し物(模擬店)らしい。店の前に学校の机と椅子のセットが出してあり、椅子の背もたれに足の先をかけ、机にうつ伏せになってぶらぶらとバランスをとり、暇を持て余している。店の前は人通り…

朝の浮き輪

未明。便所で力んでいる最中、気づくとなぜかとてもさわやかで優しい気分になっていたんだ。そして気づいたらレタスさんみたいな気分になっていた。レタスさんという方がいて、こういう喋り方(書き方)をするんだ。今朝の僕はレタスさんっぽい気分なので、…

ドアノブ

早朝、床に水をまき散らかすような音で目覚める。隣室へ続くドアを開けるとすぐ吐瀉物があって面食らう。これは今までない目覚め方だなー。酒飲みとか酒飲みと暮らしている人にはありふれた光景なんだろか、、などと思いつつ、ぼそぼそ文句を言いながらそこ…

雪とロスコと鶴の女

早朝。食堂を出て森へ寄る。いつものベンチで煙草をすっていると陰気な曇り空から雪がちらつく。冷えて人気がない。遠くの枯木と常緑樹と陰が折り重なった暗い緑灰色と、枯れた芝生の象牙色。高い枯枝が空と接するきわが揺れてロスコの矩形のボケた輪郭のよ…

わくわく動物ランド

昼すぎ。なんだかんだでまた神社の森へ出かける。ものすごく寒い。思えば澱んだ空気が漂う地所ばかり巡っていた頃と極端に傾向が変わった(ただ、寒いから遠くに出るのがめんどくさいという理由)。忌み地と神社、それぞれで感じる静けさの中身について注意…

藤岡弘とマイスターエックハルト

呆然とマイスター・エックハルトの言葉というのをあれこれ拾い読むうち、いつの間に藤岡弘みたいな気分になっていた。いつだかiydさんが貼っていた「珈琲道」の動画を探し、今一度心を落ち着けて眺めてみる。映像の一時停止と不可解な間、それを破る「はぁっ…

雑記

巨大なクロスワードのような模様が、一定間隔で空を横切る。8×8マスくらいの2階調のドット画で、なにかの断片のよう。おばちゃんみたいな声ともう一人の声が聞こえる。空が消えて、左を向いてリンゴをくわえ、右側の羽根が何枚にも重なるよう図案化された鷹…

牛スジ

森をうろうろしたあと商店街で材料調達、久々に牛スジカレーを作る。前に実家でやった時は(おそらく)飽食気味な母親と妹から「獣臭くなるから」と押し切られ、下準備のふきこぼし数回&圧力鍋でだいぶ洗練されてしまって牛スジが単なるトッピング状態で物…

談話室 誠実

私:またあれからヘ先生のことについてだらだら考えたり、何度か書いてみたりしたんだけど全然ダメだったよ。 僕:飽きないね。というか暇だね。 私:私なんかただそのまま暮らしていてもなんもないからね、なんか気にして考えてみないと不安になったり心配…