白い夜、連続豆大福

 夜が暗いのはただ星が遠いからで、途方も無い未来には全方位の星の光が届き、夜空は真っ白に輝くという。星の光が届く前に、地球は膨張した太陽に飲込まれたり、なんやかんやであと50億年ほどで惑星自体の寿命を終える。星の光が他の星に届くより、はるかに星の寿命は短い。今こうして独りものくるいに向かわせる夜の暗黒の正体は途方も無い(星と星の)距離なのだ、とかいう想像がどうのこうのする。

 映画「連続射殺魔」を観ていて*1、この若者と(同じ北海道出身の)オガーさんで、何が同じで何が違うのかと考えていたら途中で寝ていた。オガーさんは心優しい連続射殺魔で、盗んだ銃で連続射殺するかわりに「いわゆるクラブミュージック的な解釈でシティポップを愛好するオシャレな輩の顔に豆大福を押し付ける」*2のだと想像してみる。オガーさんは誰一人傷つけない。豆大福ファンや豆大福を作っている人は傷つくだろうか? 取り立ててファンでも、豆大福を作ったこともない僕にはわからないけれど、ここで豆大福を押し付ける方と押し付けられる方の気分はすごく分かる気がする。ともかく、この若者は銃を選び、オガーさんは豆大福を選ぶ。
 そういえば、数年前にヤンゴ先生のラジオで「ひょっとしてオガーさんもこのラジオ聴いてるんですか?」*3と質問したら「オガアさん?*4 たぶん聴いてねぇですよ」と一瞬勘違いされていたのを急に思いだす。二人の人間が同時にオガーさんと自分のお母さんを想像したのが、今思えばなんだか絶妙な感じがした。(3/5)

*1:http://www.youtube.com/watch?v=swRSsBmUVKQ

*2:オガーさんの作文より

*3:たまたま話題がかぶったかなんかで

*4:お母さん:フクスマ弁