2012-01-01から1年間の記事一覧

午後。出かけるしたくをしている最中に音楽家・佐藤博の訃報を聞いた。突然だし、早すぎるだろう、、と呆然としてしまった。つい昨日だか一昨日、数ヶ月ぶりに自分で聴きたいように思った(ような気がしたような)音楽を独りで聴いていた。その中に佐藤博の…

ぬっぺほふ

夜。いかフライの載ったカレーを食べた。おいしい。 数ヶ月前のユーチューブの誰かのコメントなど読みつつ、それが呼び水となって久しぶりに音楽など聴いてみる。しばらく聴いたあと体が暑くなって固まっていた頭の血流がまた再開したように感じ、おまけに日…

自分の喉仏の感触しか知らない

出来立ての熱いソバをすすったらワカメが勢いよく飛び込み、喉の奥に張り付いてやけどした。寝て起きたらまだ喉が痛い。そのまま具合が悪くて寝込む。風邪でもひいたような感じで身体中倦怠感がひどい。夜。食堂で親子丼を食べる。ひさしぶりに緑道で缶コー…

野外某巨大掲示板風の村おこし

田舎の長閑な風景。10〜20mほどの崖に沿って、海辺の砂浜に降りていく獣道のようなスロープがある。崖側は植物が生い茂っていて暗く、海側は開けていて明るい。道の海側の縁に何本かの木の杭が打ってあって、よく見てみると誰かが彫った文字が読める。「jojo…

天国みたいなお天気

大部分が崩れて尖塔のようになってかろうじて建っている10階ほどのビルがあって、その中層の一室にいる。壁の隙間の至る所に何かの書類のような紙切れが詰めてあって、よくみると崩れた壁と柱の間の空間にも断熱材のように何かの書類らしき紙がつめてある。…

スカイツリー

朝。電話に出ると私のお父さんだった。 数日前にメールがあって「スカイツリーに登りたいからいろいろ調べておいてくれ」という件の催促だった。「電車の乗り方とか、そういうことなら前日に調べればすぐじゃないですか」と、いつもよりはっきり告げると、そ…

変な白い花のむこうで

午后。風呂場で散髪してもらう。ぼとりぼとりと浴槽に落ちる長い毛束を眺める。おかげで頭が軽く涼しくなった。夜に傘をさしてとんかつを食べに行く。大根氏の「だんだん田んぼ」という咄嗟のフレーズが可笑しく、しばらく独りでくり返して自分で笑う。段々…

殺人現場の練習曲

駅の地下道で多部未華子をきつくしたような女性がすれ違いざまに大袈裟に髪をばさっとかきあげるので、匂いに意識を集中するとボールペンのインクのような薫りがした。なぜか平賀さんというかつての同級生のことを思いだした。 商店で炭酸水、アイスコーヒー…

ヨナ

日曜日の夕方、ふとんで寝ていた。うつらうつらしつつ、暑苦しくて寝付けず何度も寝返りうち、ふとんをはいだりかけたりした。外では昼間の熱気の余韻がじりじりと渦巻いているように感じられた。ときおり列車が通りすぎ、レールの継ぎ目を踏むたび、ガタン…

予行演習

生まれつきの知り合い(血族)や、生まれたあとにいろんな理由で知り合ったいろんな人たちのことを一人一人思い返し、自分はどのくらい他人と分かり合うようなことが出来ただろう、そもそも自分にとって(或は他人にとって)「分かり合う」ってなんだろうな…

チベタンマスチフ

いつだったか、イヌ科とネコ科でどちらが強いか?という話をしていて、結局、イヌ科は集団で狩りをするから、単独で狩りをするネコ科の動物より一対一で強いのはいないんじゃないか、みたいな(なんの根拠もない、ただの想像だけでの)話になったんだけれど…

知らない色の名前

いろいろ見て廻ったり、ここに書いたりする習慣も途切れてしまった。今日はなぜか、なんとなく。 いろいろあったけれど、前と同じように、同じところでうろうろして暮らしている。いろいろ決断を迫られた結果、同じところでうろうろすることを決めた。前より…

方眼紙の中の散歩

未明。食事に出るとみぞれ。帰りにはだいぶ雪らしくなっている。横断歩道ににじむ赤信号を車の往来が消したり灯したりするのを、ぼんやり眺める。理解できないタイミングで踏切が降りたまま回送車両がノロノロ通り過ぎる間、スクーターの運転手が「さっさと…

ゆめうつつその他

22日未明。 郵便局、牛丼屋。あまり寒くない。帰り道に空が白む。淡い水色の雲、切れ間にさす桃色。オパールのような遊色。シスレーの絵のような、茫洋としつつも透明な空。 23日未明。 寝床でしばらく雨の音を聴く。すぐそばの雨の音はエッジがあり粒立って…

へんな店

地元のバス停の前にごく小さな商店街のようなのがあって、だいぶ前からシャッター街になっている。 ある昼下がり、そこをぶらぶら散歩する。いつもはガランとしてひとけがないのだけど、その日はまばらに人が往来している。半ズボンを履いたどこか懐かしい雰…

こういう感じの方がアイツは喜ぶから

私が通う高校の学園祭でブルース・ウィリスを招くことになった。「ブルースを呼ぶ委員会」の実行委員長は小川さんだった。当日。机や椅子が片付けられ伽藍とした教室の窓や壁には暗幕がかけられ、蛍光灯が冷たく陰気に光っている。きれいに掃除されピカピカ…

ゴメイトー

よふけ。暗渠の緑道で缶コーヒーを飲む。砂場のへりの石に腰掛けると尻から寒気がのぼってくる。立ったり座ったりをくり返し、煙草をすう。遠くのビルが屋上から蒸気を吐いている。生き物が呼吸するように間歇的に湯気の塊を吐き出す。それに街の灯が反射し…

他人の青春

ヘ先生があのアパートから引っ越すという日記を読んだ。すぐに思い出したのはやんご先生著の「ぐっべい青春」で、「ぐっべい青春」はワケあってテキストを何度も読み返したり再構成したこともあって強く心に刻まれているものだから、へ先生の引っ越しの文章…

朝のほほえみ

よあけまえ。例の言葉の小川のほとり。 万死さんが眼鏡さんの貼った吉幾三の唄に対して「わたしこの曲大っ嫌い!!」というようなことをつぶやいていて、その率直さがなんだかものすごくツボに入ってしまい、迷った挙げ句お気に入り登録してみたんだけど、少し…

だれかの誕生日

よふけ。誕生日の人とファミレスでだらだらした。事前には(なぜだか)もっとしんみりするのかなと思っていたけれど、あっけないほど普通でいつもと変わらない感じだった。普通に週末にファミレスでだらだらする人みたいな雰囲気でだらだらして「誕生日おめ…

かものはしみたいな手袋とレイドバック

昨日、イヤダさんの日記を読んでいて感じたこと。 「おばちゃんに手袋をほめられた。かものはしかとおもった、だって。」というような雰囲気の文章を読むたび、いいなあと思うと同時に、細野さんの「HOSONO HOUSE」に関する評論みたいなの(というか、なんか説…

ねこのねどこ

よふけ。停電する食堂がダメで牛丼屋まで引き返して食事。緑道で缶コーヒー初め。なおいっそう寒い。実家の庭でみかけた野良猫の寝床のことがなぜか思い出され、ずっとそのことを考えていた。たばこやら飴やら煎り豆やら炭酸水やら買って帰る。炒り豆は見て…

ほとぼりがさめるまで

年末。帽子を脱ぎ捨て田舎に帰ってきた。そのまま寒風吹きすさぶひとけのない河川敷にむかい、先の不安のことばかり考えながら歩いた。はたから見たら藪をかきわけけもの道を歩いたり、飛び石を渡ろうとして川に落ちそうになったり、澱みに舫だ朽ちた屋形船…