ゆめうつつその他

 22日未明。
 郵便局、牛丼屋。あまり寒くない。帰り道に空が白む。淡い水色の雲、切れ間にさす桃色。オパールのような遊色。シスレーの絵のような、茫洋としつつも透明な空。

 23日未明。
 寝床でしばらく雨の音を聴く。すぐそばの雨の音はエッジがあり粒立っていて、地面で跳ねる音も生々しい。すこし遠くの雨、さらに遠くの雨と、音はまろやかになってゆく。薄明で眼を閉じ耳に届く音の断層に集中していると、屋外の雨の空間が輪切りにされ、頭の中に立体的に浮かび上がる感じ。

 25日。
 昼に寝る。なぜか右肘がギシギシ、ヒリヒリしてなかなか寝付けず。原因不明。夜に大根氏と食事に出かける。ご飯と串カツを口の中で溶かす煮えたぎる豚汁。緑道で缶コーヒー。犬の中では土佐犬が一番強いのか、猫が狩ったネズミを飼い主に見せる習性のこと、終止なぜか動物の話など。

 某日。
 病院か学校のような一室。部屋の隅で「誰か女性がここで死んだことがある」と告げられる。そこを見ると土を盛っただけの粗末な祭壇があり、両側に子供が紙粘土で作ったような稚拙な白いお面が置いてある。盛り土の真ん中には何かの葉っぱや水が供えてあるように見える。じっと見ていると左側のお面が下の方から赤く染まり、ほどなく真っ赤になる。恐怖で目覚める。

 某日。
 1920年代のアメリカ、セピア色の景色。少年野球団の一人として、競技用具を担いで道を歩いている。隊列の先のほうで一人の少年のリュックサックが爆発する。豆や野菜などを水筒に入れておいた(そうして、到着する頃に出来あがる調理法なのだという)のが発酵し、爆発したのだという。それはヤバいなあと思っていると、自分を含めた4人の子供のリュックも同時に爆発する。
 父親の古い一眼レフ(アナログ)が衝撃でバラバラになる。昔のカメラは簡単にバラし組み立てられる仕組みなのだという。父親が部品を拾い集めてカメラを組み立てなおす。レンズの左側の脇にあったレバーはもともと右だったのを使いやすいように左に組み換えていたけど、元の位置に戻すか?と訊かれる。

 某日。
 実家のベランダから南の方を眺めていると、曇り空にひときわ黒い絨毯のような雲が北上してくる。何発も雷が落ちて家の中に逃げ込む。家にも落ちた様子。また外に出て眺めると、今度は家くらいある巨大な椅子のキャスターが、ゆっくり空から降りてくるのが見える。遠くの地面に落ちてそれが地中を猛スピードでこちらに進んでくる予感がする。家に逃げ込む。ほどなくして、ものすごい衝撃が走る。
 なぜか病院の一室に仕事場がある。素性の分からない中年の男から仕事を受ける。いくつかロゴを作成し渡したあと、この仕事を今後断り、職場も退職する旨を上司に伝える。その後、気が変わり上司に謝ろうと病院の中を探しまわる。陽当たりのいい真っ白なガラス張りのエレベータで上に登ろうとするも、目的の階がなく屋上に出てまた戻ったりする。上司を見つけ、エレベータ脇のロビーのようなところで話す。紙束を渡され、大量にプリントされたロゴの上に中年男性のものと思しき校正が入っている。「このワードをこの書体で」とか「これは、この辺がとてもよい」とか執拗な感じに書き込んである。「この男は何が目的なんだろうね」とか「○○だからここに持って来てるのかもね」とか上司が言う。○○はよく聴き取れないが「安い」みたいな意味だと受けとる。なにか気を使われているのを感じながら、上司のその話を聴いている。