ぬっぺほふ


 夜。いかフライの載ったカレーを食べた。おいしい。
 数ヶ月前のユーチューブの誰かのコメントなど読みつつ、それが呼び水となって久しぶりに音楽など聴いてみる。しばらく聴いたあと体が暑くなって固まっていた頭の血流がまた再開したように感じ、おまけに日記など書きたい気分になったけれど、よくよく考えるとなにか聴く時に使うヘッドフォンが耳をすっぽり覆うようなオープン式のふかふかのやつなので、それがイヤパッド代わりになってやたら体が暑くなったような気がしたし、日記を書きたくなったというのも大昔に音楽を聴いてからよく日記を書いていたので、そういう習慣からくる条件反射みたいなアレのような気がしてきた。実際書いてみてもこのように意味の分からない感じで同じ場所でただぐるぐるしているだけ。
 カレーを食いながら「大昔、猫のしっぽを切る習慣があったのは、うん百年生きて猫又(しっぽが二つに分かれている猫の妖怪)になるのを嫌ったため」みたいな話を聞いたが、頭の中では(江戸時代の妖怪つながりでか)「肉人」という化け物のことを思い出し、そのことばかりぐるぐる考えていた。たしか「のっぺらぼう」だか「ぬらりひょん」みたいな別名があったんだけど思い出せないとか、そんなことを。帰宅してググったら「ぬっぺほふ」だった。すっきりした。
 肉人はネーミングといい、特に悪意というか意思をもってなにかするでもなく、ただうろうろしているところを山に追い返されたか連れて行かれたという気弱というか(妖怪伝承として残されたわりには)なんか意味の分からない感じが妙に気になっている。






 煩悩tube。素っ頓狂な歌もおぼこい語りも、丸ごとやんごとない方を思い出す。いなかのバスはおんぼろ車。