わたしは寅さんではない


 特別な感じの人からお便りが来たので、じっくりとよく考えて返信したのだけれど、ああいう内容で良かったのか、返信したあともなんだか腑に落ちずに引っかかっていて、それがなにかに似ているなと考えていて出た答えが「寅さん」だった。過去に特別な感じの手紙やメールに返信したときのことを思い返してみても、なんだか全体的に寅さんぽくなっていたような気がしている。大事なようなことをぜんぜん書けずに、(やせがまんで)けっこう毛だらけ猫灰だらけケツのまわりはクソだらけ的なことばかりを書いてやしなかったか。いまになって思い返すから「そのとき伝えるべき大事なこと」に気づくのか。ほんとうに伝えたい大事なことなどなくて、よく考えてそうするのが良かろうと思ってやった結果の寅さん的な態度/返事が、その折々においては自分にとって大事なことだったのか。あらためて考えて反省してみてもどうもよく分からない。今後は今までどおりよく考えて返事を書いた上で、それが「意に反して寅さん的になってないか」注意しなくてはいけない。わたしは寅さんにべつだん思い入れがあったり、深く心酔したり共感しているわけでもないからです。
 寅さん的な返事があるとしたら、さくら的な返事や前田吟的な返事もあるのだろうか、またはタコ社長的な返事もあるのだろうか、、などと考えながら眠りに落ちたらわけのわからない夢をみて起きて忘れた。