どちゃくカウンセリング


 あほみたいに暑い週末。夕暮れになってから、また朝鮮人街をうろつく。いつもの民生食堂がこつ然と消えていた。つい一週間前に入ったばかりだし、見間違いではないかと通りを何度も行ったり来たりして探したけど、やはりどこにも見当たらない。どうにも納得いかないまま、別のところで食う。
 この街はいつも人が多いなと、路地裏の寂れっぷりのせいか余計そう感じる。ゆっくり下りてくる青い夕闇を空に跳ね返すように、街灯やネオンがまたたき、車がさかんに往来する。その間をぞろぞろと人とざわめきが途切れずに流れていく。
 そのあと、日が暮れた要塞みたいな公園で呆然と缶コーヒーを飲んで帰宅。よくよく考えると、いま住んでいるところの近くにはやたらと巨大な公園がいくつもある。公園の森の湿気が流れて来るからどうのこうのと、引っ越しの時に不動産屋の人が言っていた気がする。要塞みたいな公園には、なぜだか最近まであまり近づかなかった。

 ナ先生の「おとな相談室」という放送を久しぶりに聴く。気づくのが遅く、身投げ屋さんが凸ってたのが聴けず残念だった。ナ先生の声を聴きつつ、ナ先生の見ている風景をどうにか想像出来ないものかと、あれこれと余計なことを考え、もがいてみる。それから掲示板の背景全面に顔が敷き詰められているのに噴いた。だいぶ前にジョジョの扮装をした写真を見た記憶があるけど、あの時と同じ顔、同じ目つきだった。それからサッカーを観る。その後、サ先生の放送に気づき、これも途中から拝聴。「インストゥウメンタゥ」という発音になにか有り難い気分になるなど。聴きながら米を炊いて、貰ったドライカレーをかけて食う。

 たぶん一年ぶりくらいに便所で紙のイヤダ日記を読んだ。日付を見ると2006年だった。自分の中身はなんも変わらないまま時間だけが流れどんどん歳をくう、というようなことを読むたびに毎回思ってる気がする。ただただやるせない。昔はバトンなんかを頻繁に回したりして、ワタスもずいぶん慣れ慣れしいなあ、などと感じる。そして、ふと顔をあげると開け放したドアの向こうの鏡から変なオッサンがこっちをじっと見ている感じも、昔と変わらない。嗚呼、何をしているんだろうアタスは、という気分になる。


 そういう感じで数日、なにも手に着かず、ただ無気力に寝起きしていた気がする。アタスの場合「なにを今さら」とバカバカしい気分になるから、鬱などというふうなことは考えないけれども。以前ちょくちょく、アクセス元にカウンセリングなんちゃらみたいなサイトがあったり、それ系のサイトの人にフォローされたりなんてことがあったけど、あれはなんだろう。自分の作文が鬱っぽいから心配してくれたり、商売するつもりでアレしていたのだろうか。
 墓場とかさびれた場所に行くと落ち着くとか、左の写真みたいな不穏な風景に妙に心が安らぐとか、TLに流れてきた「おなじ顔の家族」という話*1 にすごく心魅かれ、読んでいて心地よかったとか、、そういう自分の心にやはり問題があったり、もしそれが無気力の原因であるなら、どういうふうにカウンセリングしてくれるんだろうか。どうせ「そういうことをあんまり考えず、なるべく楽しい事を考えましょう」みたいな門切型な対応しかされないような気がして、全然期待出来ない。。なんでアタスがこういうものに魅き寄せられ、心が磔られてしまうのか。そういう自分は何者なのかということ、因果みたいなものをはっきりと明確にしてくれるような相手じゃないと、とても相談なんかする気にはなれないのだけれど。


 「おなじ顔の家族」は、とても自分好みの話だった。なんでこういう雰囲気の話に心魅かれるんだろうか。アタスも小さい頃、故郷で似たような雰囲気のなにかに出会い、ゾクゾクしていたような気もするんだけど、、すっかり霧だかもやのようなものの向こうに記憶がかすんでしまい、いまアタスが生きている場所と時間から、目をこらし、手を延ばぞうとしてもとどかない。。
 地方には未だにこういう風景や景色って残っているものなのだろうか。。ネットで知り合った地方の人と、つい同じような感覚で交流させてもらっているけれど、こういう風景に日常的に接して暮らしている人もいるのかな。とても気軽には訊けないけれど、ものすごく気になる。
 もし、そういう土着的カウンセラーによる土着的カウンセリングみたいなもんがあるなら、喜んで相談しにいきたいなあ。。



*1:昭和50年代、千葉県木更津市で奇妙な親子4人連れを目撃した方はいませんか? 父親と母親、14才くらいの娘と9才くらいの息子。この家族は、なんと全員が同じ顔をしていました。ジミー大西に巨大な出っ歯をつけたような顔で、いつも家族4人で行動していました。JR内房線岩根駅附近に、出没していましたが、60年代に入ってから、見かけません。この家族は、いったい何者だったのでしょうか? 子供は、同じ学区のはずなのに、学校で見かけたこともありませんでした。うちの母親は、平日の昼間によく駅附近で目撃していたそうです。 http://mimizun.com/2chlog/occult/piza.2ch.net/occult/kako/957/957764526.html