ボーイフレンド、ガールフレンド





 イヤダさんのところで五人時代のゴーバンズというのを初めて観て感心する。いや、ゴーバンズにぜんぜん思い入れがない、ということはこの前書いたとおりなので、なんというか、ぉぉ、、そうだったのか。。と、わりと遠巻きな感じに、だいぶ腰の引けた感じで、感心する。おもにドラムの大女をメインに感心する。まだこの頃は後の大女の貫禄みたいなものはない感じ。なんだか、かわいい。

 思えば自分はギャルバンというものにぜんぜん感心がなかった。ゴーバンズっぽいやつで、なんか好きなのなかったかな、、と思い返してもぜんぜん出てこなかった。ボーイズボーイズとか、割と好きだったかな、とか、水玉消防団のなんかの曲が良かったかな、、だとか、切れ切れに思い浮かぶも、それニューウェーブじゃんていう。ギャルバンだけど、時代も雰囲気も全然違うからダメだなあ。もっとオーソドックスというか、もっさりしたストレートなロック?みたいな感じの、ナオンの野音的な佇まいのやつ。そういうので好きだったりひっかかったやつというのが思い浮かばない。やはり僕はニセモノというか、ロックに痺れないままのんきにこの歳までアレしてきてしまった人だから、なんかギャルバンならではの良さというか、微妙な趣きや機微みたいなものに反応できないのだと思う。



 そういえばむかし、職場でニッキ&ザなんちゃらっていう人たちの復刻CDをかけている人がいて、聴いて一発で好きになった記憶がある(動画左)。なんだこれ、かっちょいいじゃん、しかも全体的にいいじゃん、などと感心していたら、親切にコピーしてくれたりして、当時、喜んで聴いていた。これぞギャルバン!なビジュアルも最高。お礼にレジロス/レヴィロス関連の編集テープを作って差し上げたら「懐かしい!」とか喜んでおられた。(そういえば同じ人が当時、斉藤由貴を薦めてくれたのに、あの時なんでちゃんと聴かなかったのか、あとで後悔した。。)
 ニッキ&ザなんちゃらはストレートにロックな感じだから、好きなギャルバンと言っていいかな、どうだろうかな、と思う。のちのち、ガールポップだのパワーポップだの、まちまちな(後付けの)文脈で語られるのも目にしたし、これもどうにも自信がないのだけれど。。 。。アタスの想像では、やはりギャルバンのギャルバンらしい良さとは違う気もする。ニッキ&なんちゃらは、アタスが聴いてもなんか普通に演奏がかっこいいと思えてしまうから。ギャルバンならではの良さみたいなのを追求してる諸兄が賞揚してるやつを聴いても、アタスには非常にビミョーで、なんかなにがいいのかさっぱり分からないという経験が多かったから、気が抜けない。自分なんかはまだまだ全然分かってない、という気がしてしまう。
 だから、めんどくさいからもうパワーポップみたいなやつでいいじゃん、と開き直った気分で、ギャルバンは避けて、そういう分かりやすいメロディのを聴いていた。ルビなんちゃらの「なんちゃらかんちゃらボーイフレンド」とか(動画中)。ニッキ&ザなんちゃらは他の曲を貼るつもりだったけど、ここは「なんちゃらかなんちゃらガールフレンド」にしてみた。それにしてもニッキ&ザなんちゃらを聴いたあとにルビなんちゃらを聴くと、存外もっさりと感じてびっくりする。おそるべしニッキ&ザなんちゃら。
 しかしやはり、「男勝りなのが決していいギャルバンの条件ではない」というような、気配は感じる。。




 またニューウェーヴな扱いのバンド?になってしまうけど、ガールズなんちゃらアワーベストのこの曲(動画右)は、ユルさと可愛さが絶妙な大好きな曲。アタスはこれを「学祭感覚」などと、仮に呼んでいたわけだけども、、こういうもやもや感の先に「ギャルバンの良さ」みたいなものはあるのかなあ、、などとも想像してみるのだけれど。。 ガールズなんちゃらアワーベストのこの曲は、まだ極端というか、分かりやすいって感じもするし。。ギャルバンの良さって、もっと微妙で、もっと儚いもののような気がする。。いつかのイヤダさんの言葉「ナオンの野音」周辺に漂っていた虚無感や、儚さ。
 ガールズなんちゃらアワーベストは、期待してアルバムを買ったら、ぜんぜん良くなくてがっかりした思い出もあります。好きなのはこの曲だけでした。。