ぼんやりの内訳

 夜から明け方まで、ずっとサッカーを観ていた。
 窓の薄明かりの方から、ずっとかさこそ音がするので、カーテンごしに覗いてみると雨だった。  
 見えるものぜんぶ青ざめた顔を見合わせ陰気にかさこそ呟きあっている。ものすごく寒そう。

 数時間前から、なにか音楽でも聴いてみたいかな、という、びみょうにそわそわした気分だったけど、雨と戸外の音、水道管を流れる水の音、空調かなにかの振動、、なにか耳の中でじわじわといい音がしているような気がしたので、そのまましばらくぼんやりしていた。
 雨をみてぼんやりする前は、多分もっとなにか下世話なものを聴くような予定(気分)だったのだけれど。。かといって、(ここまで書いて手をとめてみて)雨の音がどうのとかいう感覚にすんなり馴染むようなデリケートなものを、と、頭にタイトルを浮かべたり、それを聴いている自分を想像してみたら、急に恥ずかしいような馬鹿馬鹿しい気分になってしまったので、やはり中止する。

 あれこれ巡回してメッセージやコメントを見て廻る。今日はなんとなく、ぜんぶ雨音みたいに、虚無的に聴こえる。雨みたいに目の前を通りすぎていく。外の雨のせいなのか、ただ眠くて無気力なだけなのか。くっついたり離れたり、出逢ったり別れたり。くり返し、くり返し。
 よく分からないままラジオで「あー」とか「うー」とか喋ってみたりした、最初の頃の気分を思い出す。電気の向こうに本当に人がいるのか云々。

 そういえば昨日、ひさしぶりに宮本さんの日記を眺めていた。いつ登録したか記憶にない大昔のやつとかも。
政治のこととか、なんか思想のこととか、難しい話は全然分からないので、次々現れる音楽ソフトのパッケージの画像と一緒に、ただ眺めるだけなんだけども。(意味が分かるとか納得出来るとかより、ただなにか眺められれば満足みたい。)
 そういえば宮本さんの唄に出てくる言葉も、政治のことだったり、含みだらけでなにかを突きつけてくるような印象だったように記憶している。むかし、自分が感想を書いたときは、音が光が湿度が、なんちゃら、とか、うわ言みたいに連ねていた気がするけど。
 ただ聴いていて気持ちよかったので、歌詞の言葉のこととか、全然考えてなかったけれど。あの歌は、そういう自分みたいな人に「おまえらもうちょっとどうにかしろ」的なことをアレしていたのかなあ。。
 まず言葉があって、そのための演奏っていうぐらいの勢いの。なにか切実で強烈なメッセージソング(メッセージソング?)という心構えで触れなければダメだったのかなあ。。
 書いてはみたけど、メッセージソングって、すみません、意味がちゃんと分かってません、、とかいう、ぼんやりした気分で聴いたらアレだったのかしら、、などと、つらつら思い返していた。