夢の裕二

 同窓会だろうか、小学校の教室に六年生の時のクラスメイトが集まって座っている(自分は今の意識。みんなは子供のまま)。外は曇っている。前のほうで長岡君が席から起立し、思い出話のような、なにかいい話をしている。私はひとり抜け出して屋上に続く階段を上がり、掃除用具入れなどが置いてある踊り場の暗い鏡を覗き、また教室にもどる。体育会系っぽい女子が黒板に何か描きながらしゃべっている。「なんちゃら、かんちゃら、フ・ァ・イ・ト☆」みたいなことを、色のチョークを器用に使い分けて描いていて、見ていて恥ずかしくなる。私はまた教室を抜け出し、今度はトイレに行く。長い廊下を戻る途中、二人の大人とすれ違う。教員かと思ったら、一人は登山者のような格好をしている。
 教壇から見て後方のドアから入り、悠然と席まで歩く。なぜか堂々としている自分を不思議に感じる。教師に指名され「あなたにとっての六年一組とはなんだったか、しゃべって下さい」と言われる。突然なにごとかと思うが、さっきの長岡君とか体育会系の女子とか、そういうことをしゃべっていた様子だ。すでに全員しゃべり終わり、あとは自分だけだという。急なので何も思いつかず慌てる。みなうまくやっていたように感じる。みな事前に知らされていたことなのだろうか?と勘ぐる。
 「子供の時の一年も大人になってからの一年も同じ一年という時間だけど、ぼくにとっての六年一組という一年間は、今でもなにかと思い出すし、べつに最高というわけではないけれど、多分なにかしら特別な一年だったのだと思います」云々。。 さっきまでの教室の感動ムードに居心地の悪さがあったので、できるだけ感情を抑えて大袈裟にならないようにしゃべったら、全然うまくいかず、なんだか皮肉っぽくなってしまうし、おまけに一向に話がまとまらないので、しゃべりながらどんどん焦る。
 私の話の途中、いつの間にか教師のかわりに教壇に立っていた織田裕二が、二枚の雑誌グラビアの切り取りみたいなペラペラした印刷物を配る。夕暮れ(明け方?)の海辺に座る織田裕二が映っている。それについて織田裕二がしゃべりはじめる。自分の話がうまくいかなかったので、助かった、、とホッとする。もう一枚の印刷物には、写真家なんとかかんとかっていうヒゲのおっさんと海辺のキャンプファイア、家族スナップみたいなやつが映っている。「●●と音楽だけがいつでも最高だよ」みたいなリードがついている。「誰だろう、このおっさん」と眺める。そこで、家族スナップに映る幼い子供(兄と妹)の回想シーンにかわり、習字をする兄の半紙にピンク色の絵の具を塗りたくる妹。そんな妹でも大切な妹ですと兄が語っている。。という、そんな夢をみた。



 以上。サッカー北朝鮮ポルトガルの印象が強烈で、忘れそうだったので急いで記す。
 自分にとっての学校ってなんだったんだろうなあ。なんやかんや明確に競争させられる場所というか、、これといって積極的に思い出すようなことがなんもない。記憶がぼやけている。上に描き出した夢の情景と同じで、ディテールは思い出せるし書けるけど、それぞれがバラバラで、なんかぼんやりしている。やっぱ、意思がなかったからかなあ。今も薄弱だけども。