情緒的ウェザリングとしての、ブックオフの値札シール

 jk氏関連の工作にジャケをつける作業をしていて、適当な文言をアレしていたら手がすべって「小僧寿司チェーンでなどで買える」と書いてしまったのにつられて、実際にジャケに小僧寿司チェーンのロゴを配し眺めてみたら、なんだかちょうどよい台無し感だと思った。頭の中に、世の名盤っぽいレコードジャケットを思い浮かべ、そこに小僧寿司チェーンの(あの丁稚みたいな)ロゴマークをハンコのように次々に押して行った。小僧寿司チェーンのロゴ入り「サージェントペパーズなんちゃらかんちゃらバンド」、小僧寿司チェーンのロゴ入り「メインストリートのならず者」、小僧寿司チェーンのロゴ入りセックスピストルズ諸作、小僧寿司チェーンのロゴ入りプリンス諸作。小僧寿司チェーンのロゴ入りダニー・ハサウェイ「ライヴ」、小僧寿司チェーンのロゴ入りマイルス「クールの誕生」...etc。思いのほか良いように感ぜられた。だいたいどんな名盤の風格をも小僧寿司チェーンのロゴは無力化し、そこに新たに別の風情を与えるように感じた。 次に、どういうのがもっとも良い具合に台無しになるロゴかと考える。実際にある販促用レコードというところから飛躍しすぎず、ほどよく身近なんだけど、配置してみるとそこまでの作業が台無しになって(なにか想定外に)良い具合に落ちついたり、残念加減が妙なる趣きを醸しだすようなロゴってなんだろう。

 かすれ、傷、しみ、かび、リングウエアなどなど。いろんなウェザリング(汚し)の画像加工で、いかにも紙のジャケっぽさを演出できるが。究極のウェザリングは「ブックオフの50円の値札シール」のような気がしてきた。これまで、ジャケのアートワークに「ブックオフの50円の値札シール」を取り入れている例はないのだろうか、画期的な気がするんだけど。 夢と希望に満ちた新譜なんだけど最初から「ブックオフの50円の値札シール」。そういうのないんだろうか。考えたらアタスは新譜のジャケというのものをかれこれ数年見てない気がしてきた。だからぜんぜんわからない。ダウンロードなんちゃらが隆盛と伝え聞くが、そもそもジャケットというのはまだ生き残っているのだろうか。ワタクス自身はなんとか生き残っているような気がするが、ひょっとして世のレコードジャケットといっしょにもう死んでしまったのだろうか。
 jk氏が、あの仙人新聞のドタマに、ここへのリンクを(二重に)付けてくれてるのに気付いて、ものすごく恐縮する。。のちほどバナーでも作って、「すみれいろレコード」の記事内に仙人新聞へのリンクをつけさせていただきたいと思います。