火星銀座


 はれ。
 特になにもせずに過す。いつもだいたい何もしてないけど、今日はとくに何もしなかったような気がする。昼から夕暮れまで、イスのうえでしっとりする。しっとりしてる日とガサガサしてる日がある。そういえば、ガサガサするときは、ふりはらうようになにかの作業をしている気がする。外がとてもおだやか。なんだか窓の向うの今日は、そこまでじゃなくてもっていうくらいに、必要以上に、おだやかな気がするなあ。光のさざなみが窓辺に寄せ返すたびに、ますますしっとりした。
 あ、あれを聴き返そう、などと、ふとした時に幾つかレコードジャケットが頭をよぎる。だけど相変わらず、よぎったまま、気付くとぜんぜん無関係にインターネット通信を覗いていたりする。ついさっきも、自分でゆーちゅーぶでごにょごにょしたやつを聴き返していた。これ、このまま残っていくのかなあとか、いずれ消されんのかなあとか、まるで人事のように「なんだよこれ」だとか、あれこれ思いながら。いたってのんきにすごす。
 ところで、ゆーちゅーぶへの投稿ですが、3回そのスジから苦情が来るとアカウント停止だそうです。ワタスのところには1回来てます。ラングレー・スクールなんちゃらかんちゃらの、あのこどもが唄うデスペラードですね。あれを普通に上げていたら2,3ケ月後に物々しい警告が来ました。同じ音源を上げている方もいますが、わざと長ーい無音部分を作ったり、ノイズを混ぜたり、様々なすべを弄してうまくアレしているようですね。世界平和!みたいな画像に合わせて。。 その、なんて言うんでしょう、音声検閲をかいくぐる手管の精妙さと、世界平和!っていう大仰さと、こどもの歌声のせつなさが混りあい、独特の雰囲気になっておりますね。

 よる。いろいろ外回り。夏みたいな湿気のにおい。部屋に戻ると用事が片付いたーつって、まただいぶしっとりする。
 このままじゃ、しっとりしたまま、地獄いき。こんなワタスの良心がささやく。
 なんちゃらカエラさんが出てきてあの唄を歌っていたので、消音してるテレビの音をいちいち出してみたり。そんでいちいちイライラしてみたりいらんことする。臭いものをわざわざ嗅いで確認したりするアレに似てる。おもうつぼです。なんていうか唄だけじゃない気がするんですよね、面構えとか所作とかキャラクター?。あの存在感自体がワタスの心をざわざわさせる。「わーすーれないでー」とか唄ってた頃も、なにかこっちの想像を越えた大味さの塊のようなものを無神経に投げつけてくる女だなって、漠然と感じていた。そこがスゴいんでしょうけども。こういうこと言うのも今さらなんでしょうけども。それからサッカー番組だらけ。わりとまめに観るなど。
 アタスは気分転換のように手を洗う癖があるんだけど、今日は何回洗っても手がべとべとした感じがあった。気持ちがしっとりしてるのと、なにか関係があるのかも知れない(謎)。そういえばこの前出かけたときのこと、西武線新井薬師駅の商店街のマスコットが「アライグマ」で、こんなトンチでいいのかよと思ったら、その先の都立家政駅の商店街のマスコットが「火星人」で、お!となった。その街ぐるみでたたみかけてくる感じが新鮮だった。
 なんでも、家政銀座商店街というところだったらしい。


名をば「かせいちゃん」で、ちばてつや画とのことです。